猫
愛猫の病状が思わしくない。
昨年11月にしこりが見つかり、すぐに手術するはずが、甲状腺の値が異常で手術をするともたないと言われた。1ヶ月かけて薬を飲ませて落ち着かせ、12月に手術をした。しこりは無事取り除けたが、病理で血管腫だとわかった。
「余命3ヶ月。抗がん剤を使っても半年」と言われた。抗がん剤を使うかはかなり悩んだが、苦しい思いをさせても3ヶ月しか長くならないなら、病院に通って注射させるのもかわいそうだと考え、これ以上治療しないことにした。
春まではもたないと覚悟していたが、夏を迎えられた。玄関フードで遊ぶ姿を微笑ましく見ていたが、だんだん食欲がなくなり、動きもスローになってきた。
私の手術の日程を決める際に、「8月中がいいか」と聞かれ、咄嗟に「9月に入ってからお願いします」と言った。家族には最短だと嘘をついた。愛猫を看取りたいと思ったからだ。
長生きして欲しいと思う一方で、これ以上苦しんでほしくない。そして、一番辛い時に支えてくれた猫の、一番辛い時期に一緒にいたい。
ギリギリの選択だった。
もし手術まで生きてくれたら、私がいない間に旅立つことも覚悟する。臆病で寂しがり屋な愛猫。その時は心から詫びたい。