カウントダウン

誰にも期日はわからない

個人情報

今回の病院は、個人情報の扱いが丁寧だった。

まず、病室の前に名前を張り出すかどうか。ここから自分で決めることができた。私の場合、名前がないと自分の部屋を忘れた時に困るので、掲示していただくことにした。

次に電話の取り次ぎ。外線で病院宛にかかってきた場合、私が入院していることを隠した方がいいかというもの。これは、まずかかってくることはないが、何らかの事故が起きて携帯が繋がらない時に困るため、隠さない方を選んだ。

それからシャワーの予約表。入院した病院では、シャワーの予約が取れるようになっていたのだが、その際に本名を書くのが無理であれば承るということだ。これも特に秘する必要を感じなかったため、私は本名にした。

このように、病院側は個人情報の取り扱いに注意していた。しかし、やはり個人情報はどこから漏れるかわからないと、私は今回の入院で学んだ。

私の同室の方は、70代の奥様だった。この方がとにかく喋る。本名はもちろん、住所(〇〇駅の向かいにあるイオンの〇階にある部屋)、出身地、家族構成、飼っている犬の名前。

ここまではまだ許容範囲かもしれない。

次に、長女の氏名、年齢、未婚、勤務先、その所属、出身大学、出身高校。次女の住所、氏名、年齢、出身大学、子供の名前、年齢など。

とにかく、身内に関するあらゆる個人情報が1週間もしないうちにこれだけ漏洩した。調べれば、顔写真やら建物やらFacebookやらがヒットすることは、想像に難くない。

コロナ禍で患者同士の接触を最低限にするようにと言われながらも、これだけ漏洩する。我が身を振り返り、恐ろしくなった。まさか娘さんたちも、母親がここまで漏らしているとは思ってもみないだろう。

入院時の個人情報。 扱いを見直すべきなのは、患者の方かもしれない。